メキシコ・オアハカ現地研修レポート ー 育てる・作る・味わう 奥深いメスカルの世界とEl Cortijoのこだわり ー

2025年9月、Widenix Tokyo株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井上誠)は、同年日本に初上陸し輸入販売中のメスカルブランド・El Cortijoの現地研修を実施しました。El Cortijoは、メキシコ・オアハカ州に、メスカルの原材料となるアガベ畑とパレンケ(蒸留所)、メスカレリア(メスカルを専門に扱うバー)とカクテルルームを有しています。今回の視察では、原点である畑の視察から、伝統的な製造方法への理解、そして味わいの空間に至るまで、同ブランドの徹底したこだわりと奥深いメスカルの世界を肌身で感じてきました。
⚫︎育てる:100%自社栽培にこだわる畑
El Cortijoのアガベ畑が位置するメキシコ・オアハカ州のサンティアゴ・デ・マタトランは、「世界のメスカルの首都」あるいは「メスカルの故郷」とも呼ばれ、多くの生産者や畑を有している、メスカルの生産で非常に有名な町です。
なかでもElCortijoの特徴は、使用するアガベを100%自社栽培にこだわっている点です。1951年以来、一貫して自社の土地で栽培し、オアハカの太陽の下で長年大切に育てたアガベのみを使い、少量ずつ丁寧にメスカルを製造してきました。原材料であるアガベを他社から購入または外注するブランドも少なくないなか、El Cortijoは広大な土地を活かし、最高品質のアガベを自社で管理し続けてきました。

畑に着くと、まず目に飛び込んでくるのが、どこまでも整然と並ぶアガベ達の雄大な様子です。それから、太陽をたくさん浴びる土地と果てしなく広がる青空のコントラストも素晴らしい。道中見てきた他のアガベ畑と比較しても、一株ごとの間隔の広さと全体の管理のきめ細やかさが目に留まります。この広大な畑を数人で管理していると聞いて驚くと、こんな回答が返ってきました。
「アガベの栽培で最も大切にしているのは、時間。もちろん最低限の世話はするが、大事なのは、しっかり間隔を取り、じっくりと年月を待ち、大地の力でアガベが成熟するのを待つこと。成長していくための掃除や手伝いをするが、あとは自然への敬意。その上で、熟練した職人が、適切な時期を見極め、収穫する」
現在、日本に輸入している3種類のメスカルのアガベ品種であるエスパディンは、成熟までに8年から10年かかります。中には20年以上期間を要する品種も。その見極めを1点ずつ職人の目で行っているのも驚きですが、自然への敬意と忍耐の上に成立する品質の高さであることを再認識しました。
また、アガベの増やし方は、基本的には「株分け」、成長過程で株元や地下茎から出る子株を移植して行います。この子株は親株と同じ遺伝子を持つクローンであるため、品質をそのままに保つことができます。特にEl Cortijoは、一株目の子株のみを使用し、親の形質を最も正確に引き継ぎ、親株の貯蔵エネルギーの恩恵を受けやすく、病気やウイルスの混入が最小限になります。株分けは、アガベ畑管理の大切な仕事のうちの一つです。これにより、安定した生産と変わらない品質を維持し続けています。


⚫︎作る:手間を惜しまない伝統的な製造方法
今回、あいにく自社パレンケ(蒸留所)のリニューアル工事時期と重なっていたため、同じサンティアゴ・デ・マタトランに位置する別ブランドのパレンケで、メスカルの伝統的な製造工程を見学しました。工場は甘く芳しいアガベの焼いた香りで充たされており、事前の説明通り、ほぼ全ての工程が手作業であることに驚かされました。全体の工程は1ヶ月弱かかるそう。畑と同様に、自然と時間の力を存分に活かした酒造りです。
ElCortijoの詳しい製造工程は、ーメスカルとはーをご覧ください。






⚫︎味わう:その伝統に浸る
El Cortijoは、オアハカ・デ・フアレス(オアハカの州都)にメスカルを楽しめる空間、Cortijo La MezcaleriaとEl Cortijo Cocktail Roomを展開しています。
私たちは、まずCortijo La Mezcaleriaを訪れました。メスカルのアルコール度数は通常43~46%と高く、飲み慣れていないとその強さに敬遠する方もいらっしゃるかもしれません。それでも、メスカル本来の風味を楽しむには、やはりストレートがおすすめだとオーナーは言います。
香りが広がるように、口が広いコピタスと呼ばれるグラスで提供されるメスカル。私たちは、メンデス家に代々伝わるメスカルの味わい方を聞きました。
1. 順番
最初は軽めのメスカルから始め、次第に濃厚なものへと進みます。
2. 注ぎ方
グラスにメスカルを注ぐ際は、グラスを満杯にせず、少し余裕を持たせます。これにより、香りをよりよく感じることができます。
3. 香り
まず右の鼻孔で香りを嗅ぎ、次に左の鼻孔で香りを感じ取ります。最後に、メスカルに直接触れないようにグラスに鼻を近づけ、香りをしっかりと捉えます。
4. 最初のひと口
口を慣らすために少量をまず飲み、アルコールの風味に圧倒されないようにします。
5. 本格的なひと口
ひと口を十分に味わい、飲み込む前に少し口の中で留め、風味をしっかりと味わいます。
6. 繰り返し
もう一度香りを嗅ぎ、2回目のひと口を飲みます。
7. 続ける
次のメスカルに移り、同じ手順を繰り返します。
それから、飲み干したグラスに残った最後の数滴を手のひらに振り開け、体温と共に広がる余韻を感じる楽しみ方も。旨いメスカルは、空になったグラスを24時間放置しても尚、香りが持続しているそうです。呼吸をするたびに全身を駆け抜けるアガベの香りに満たされました。

また、別の晩に向かったEl Cortijo Cocktail Roomでは、ストレートはもちろん、メスカルを使った様々なカクテルも提供されています。El Cortijoの深い味わいと華やかな香りを活かした特別な一杯で、メスカルの新たな一面と出会えました。現代のあらゆるシーンで主役となれる、メスカルの更なる可能性を感じさせる贅沢な空間でした。

この現地研修で、「育てる・作る・味わう」それぞれの面でメスカルの奥深い世界に浸り、また、El Cortijoの誇りと伝統に触れることができました。私たちWidenix Tokyo株式会社は、日本で唯一のEl Cortijoインポーターとして、その魅力を存分に伝え広めて参ります。今後の展開も、ぜひご期待ください。